<< ムンク展 | main |
河鍋暁斎 - 近代へ架ける橋
暁斎。
この人は画家であり劇画家であり、漫画家でもあるマルチな絵師。

技術がすごいだけでなく、世を透過する眼力に注視したいと思います。

彼岸の者たちを実像化する力腕がすごい。幽霊画は筆舌に尽くし難い。とてつもない技巧で、この世のものとは思えない「美しさ」を獲得している。ここには暁斎の劇画作家の笑いやユーモアは皆無。ただ、冷静な見えざるものたちへの眼差しがある。

「型破り」という言葉がある。
暁斎も型破りの作品が多いというが、浮世絵、狩野派と基礎鍛錬を10代の時期に着実に歩んだ作家。

独創的な作品を作りつつも、毎日更新していた絵日記や他の作家の模写も試みている。実際、作品内には同時代の作家である、応挙、若沖、蕭白の影響も見て取れる。
下絵の多くにイメージの試行錯誤の跡が見て取れた。幾重にも書き直しのために貼り直され胡粉がひかれた下絵がほとんどだった。

かと思えば、酒の場で即興的に仕上げた大画面の作品もおもしろい。

守備範囲の広い作家だ。
異形の者達への偏愛を感じる。

現代美術家にも暁斎は人気がある。
しかし、暁斎の幽霊画と彼らの作品とでは、その根底にある異形なるもの達への執念が全然ちがう。
暁斎の幽霊画はどこか、大いなる存在に描かされているような気がする。

地獄太夫は傑作。この世の無常を笑い飛ばすようなユーモアとシニシズムが渾然一体になったような作品。

あと放屁合戦の巻物は可笑しすぎました。暁斎がアニメつくったらきっと面白いものになってたんでしょうね。
| 京都の展覧会 | 00:17 | comments(0) | - |
コメント
コメントする