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星の王子さま展/大丸ミュージアムKYOTO

大丸ミュージアムKYOTOの星の王子さま展 -サン=テグジュペリの政治性-


世界初公開となるオリジナル原画、「実業屋」を観ることができました。
会場では、作品のコンセプトをくみ取り、象徴的なメタファーとそれの持つ意味の解釈をいくつか紹介しています。サン=テグジュペリさんの原画での下絵、キャラクターの推敲を目にすることができました。また、サン=テグジュペリさんのドローイングのなかのひとつで印象的だったのが、王子さまと悪魔と燃えている幾棟もの家々。熾烈な戦争へ突入しつつあった当時の世相と、作者の心のありようを感じずにはいれませんでした。


今回の展示で改めてフランスの版元とアメリカのレイナル&ヒッチコック社との仕上がりの違いを感じました。サン=テグジュペリさんの落書きを見て出版を勧めた夫人も素晴らしいと思います。


会場内には、宮崎あおいさん出演のミュージカル 星の王子さまのDVDもしっかりミュージアムショップにおいてありました。今回、とくにほしぃぃい!と悩んで仕方なかったグッズがありました。

あの、「うわばみ」のぬいぐるみです。そう、へびです。
そうです。あのうわばみ(ヘビのことです、フランス語原文でもヘビの婉曲的表現となっているとのこと)が、象を丸ごと飲み込んだ、うわばみのぬいぐるみが置いてありました。もしかして・・・、いや、たぶんと思い、うわばみのお腹の部分についたジッパーを開けてみると、中には小さい小さい象が食べられた状態で入っていました。作品の世界観そのままに、象が入っていました。アレは素敵でした。

あと、今回の展示でサン=テグジュペリさんがエールフランスに関わっていたとはちょっと知りませんでした。



資料 ; サン=テグジュペリの隠された史実について、興味深い原稿
2.薔薇と三本のバオバオ

サン=テグジュペリ伝説の愛

私の知る限り、サン=テグジュペリさんはフランス空軍に入隊し、かなり政治的な問題に関わっていたようです。
実際、多くの年表や伝記にサン=テグジュペリさんの死が実際どのようなものであったのかはきちんと触れられていません。あまりに政治的・・・、作品の世界観を揺さぶるほどに、ややっこしい複雑な現実的な問題があったようです。

しかし、サン=テグジュペリさんが、生涯に渡って、反ド・ゴール、の立場、つまりは親ナチ政権ヴィシーを擁護する立場であったということを知っても、「星の王子さま」には永遠の魔法が宿り続けています。
作品にも登場するように、「見えないものを見る」ことを努力してみれば、彼の周囲にいたユダヤ系の友人・知人に救いの手を差し出す為には、ナチスと親密な政権とのパイプを断ち切ることはできなかったのではないか・・・?そのようなことを考えます。ファシストにこんな作品は作ることはできない。絶対に。


彼が・・・、サン=テグジュペリさんが戦争の中で、生き延びていくための、処世術を・・・、自分の守らなければならない人を守る為に、いろいろなことを現実の問題と対峙し、生きていったのだと考えます。

「見えないものを見る」・・・、これをサン=テグジュペリというひとりに人間にあてはめてみれば、彼自身までもが、英雄化され、物語の1キャラクターと同化した状態には、留意すべきです。
出版から彼が死ぬまでの背景にある、物語の作られた当時の世相、戦況、各国の苛烈なパワーバランス等を緻密に研究してみる価値は大いにあるかと思います。




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